就職活動中の学生の皆さんへ その5
就職活動中の学生の皆さんへ その5
私の大好きな話をします。
随分昔の話ですが、大分県のあるところに牛乳配達を職業としているお父さんがいました。毎日朝早くから階段を昇り降りして牛乳を配ります。とてもキツイ仕事です。
奥さんも子供達もお父さんの仕事に誇りを持てませんでした。
本人自身も誇りを持っていません。
もっと勉強していれば違う仕事ができたのにといつも思っていました。
ある日、アパートの3階に配達に行くと、そこに住むお母さんが窓越しに「牛乳屋さんありがとう」と言ってくれました。次の日もその次の日も続きました。
その「ありがとう」が嬉しくて、お父さんは「よし明日も頑張ろう」と思いました。
同じ様に配達していると、またお母さんが「牛乳屋さんありがとう」と言ってくれました。
でもよくこんなに早い時間に起きているなと不思議でした。
ある日配達に行った時、偶然お母さんがドアを開ける瞬間に合致した時がありました。
そのときにお母さんは言いました。
「私はお乳が出ません。あなたが届けてくれる牛乳で子供を育てています。
あなたが一日でも休めば子供が死んでしまいます」
この時、お母さんが僕を待ってくれているんだ、僕の配達する牛乳を子供が待っていてくれるんだと仕事に誇りを持てるようになりました。
「お父さんの仕事はつまらない仕事じゃない。日本中のお母さんが待ってくれているんだ。日本の将来を担う子供達の役に立っているんだ。こんなに誇り高き仕事はない、お父さんはこの仕事を続けるよ」と言い、子供達もお父さんを大好きになり、誇りを持ちました。
職業に高い低いはありません。立派な仕事、悪い仕事はありません。
世の中のお役に立つ仕事を、待ってくれている人のためにお役に立つ仕事を見つけていただきたいと思います。そして社会人として活躍していただくことを心からお祈りしています。